
お店の前を通ると漂ってくるスパイシーな香り、回転しながら焼かれる巨大なお肉の塊。ジューシーなケバブは本当に食欲をそそりますよね。そんなケバブを「自宅で思いっきり食べてみたい!」と思ったとき、最初にぶつかる壁が「あの生地」のことではないでしょうか。
お肉やソースは何となく用意できても、あの独特なポケット状のパンや、薄くてモチモチした皮はどこで手に入るのか、そもそも何という名前なのか、意外と知らないことも多いはずです。実は、ケバブに使われる生地には主に「ピタパン」や「トルティーヤ」といった種類があり、それぞれに歴史や食感の特徴、適した食べ方があるんですよ。
さらに嬉しいことに、専用の生地は業務スーパーやコストコといった身近な場所で意外と簡単に手に入りますし、もし買いに行けなくても、フライパンひとつあれば自宅にある小麦粉で代用レシピを作ることも可能です。「家でケバブパーティーをしたいけど、生地だけがない!」なんて時も諦める必要はありません。
この記事では、ケバブに使われる生地の種類の違いや名前の由来、気になるカロリー比較から、家庭で簡単にできる代用・手作り方法まで、プロの視点で徹底的に解説していきます。これを読めば、あなたも今日からお家で本格的なケバブ屋さんを開店できるかもしれませんよ。
- ケバブに使われる代表的な生地の名前とそれぞれの特徴
- 業務スーパーやコストコなど市販の生地が買える場所
- フライパンで作れる簡単な生地や本格的なピタパンのレシピ
- 生地が破れない温め方や具材がこぼれにくい食べ方のコツ
ケバブの生地の種類と名前を徹底解説
- 定番はピタパン!ポケット型の特徴
- ロール派には薄いトルティーヤが人気
- 本場トルコのユフカやエキメッキとは
- 気になるカロリーと糖質を比較
- 専用生地がない時の身近な代用方法
定番はピタパン!ポケット型の特徴
ケバブサンドとして日本で最も親しまれており、ケバブ屋台のアイコンとも言えるのが「ピタパン(ピタブレッド)」です。中近東や地中海沿岸地域で数千年前から食べられている非常に歴史の古いパンで、英語では「Pita」と表記されます。
この生地の最大の特徴は、なんといっても中が空洞(ポケット状)になっている点ですよね。でも、なぜ中が空洞になるのか不思議に思ったことはありませんか? 実はこれ、特殊な成形をしているわけではなく、「高温で一気に焼く」という製法による科学的な現象なんです。薄く伸ばした生地を高温の窯に入れると、表面が焼き固まるよりも早く内部の水分が急激に沸騰して水蒸気となります。この水蒸気の圧力によって生地が風船のようにプクッと膨らみ、その状態で焼き固まることで、冷めても中に空洞が残るというわけです。
半分にカットすると自然と袋状になるため、その中に削ぎ落としたジューシーなドネルケバブの肉、千切りキャベツ、トマト、そしてスパイシーなソースをたっぷりと詰め込むことができます。こぼれ落ちそうな具材をしっかりと受け止めてくれる、まさに「サンドイッチのためのパン」と言えるでしょう。
ピタパンの特徴まとめ
- 形状:少し厚みがあり、ふっくらとした円形。半分に切るとポケットができる。
- 食感:外は香ばしく、中はモチッとしている。噛みごたえがあり、小麦の風味が強い。
- 用途:具材を挟む「ケバブサンド」に最適。ソースを吸っても破れにくい頑丈さがある。
また、ピタパンは単なる「具材の入れ物」ではありません。厚みがあるため、肉汁やソースが染み込んでも簡単には破れにくく、最後の一口まで具材の旨味を逃さずに食べられるのが大きな魅力です。パンそのものにもほのかな塩気と小麦の甘みがあり、スパイシーなケバブの味を優しく受け止めてくれます。
ちなみに、本場の中東諸国では、ケバブだけでなく「フムス(ひよこ豆のペースト)」や「ファラフェル(豆のコロッケ)」を挟んで食べるのも一般的ですよ。日本でも最近はスーパーで見かける機会が増えてきましたが、やはりケバブ屋さんで食べる焼きたてのピタパンの美味しさは格別ですよね。
ロール派には薄いトルティーヤが人気
近年、ポケット状のケバブサンドと並んで、あるいはそれ以上に人気を集めているのが、薄い生地で具材をぐるりと巻いた「ケバブロール(ラップサンド)」というスタイルです。片手でスマートに食べられ、具材が長細く配置されるため、最初から最後まで均等に肉と野菜を楽しめるのがメリットですよね。
このスタイルに使われている生地は、一般的に「トルティーヤ」と呼ばれています。「トルティーヤってタコスに使うやつじゃないの?」と思った方、大正解です。本来はメキシコの伝統的な薄焼きパンですが、その「薄くて丈夫で巻きやすい」という特性が評価され、世界中のラップサンド料理に採用されるようになりました。日本のケバブ店でも、調理のしやすさと食べやすさから広く定着しています。
生地選びの注意点:コーンかフラワーか?
トルティーヤには大きく分けて2種類あります。ケバブを作る際に間違えないよう注意が必要です。
- コーントルティーヤ(トウモロコシ粉):黄色っぽく、香ばしい風味が特徴ですが、ボソボソとしていて割れやすく、大きく巻くのには不向きです。タコス用として使われます。
- フラワートルティーヤ(小麦粉):白っぽく、グルテンの作用でしなやかさと弾力があります。大きく焼くことができ、具材をたっぷり巻いても破れにくいため、ケバブにはこの「フラワートルティーヤ」が絶対におすすめです。
ピタパンに比べて生地が圧倒的に薄いため、炭水化物の摂取量を抑えつつ、肉や野菜などの具材をよりダイレクトに味わえるのが特徴です。「パンでお腹いっぱいになりたくない」「具材メインで楽しみたい」という方には、断然トルティーヤが支持されています。
また、しっとりとした食感も魅力のひとつ。ピタパンが「ふっくら・モチモチ」なら、トルティーヤは「しっとり・つるん」とした口当たりです。冷めても硬くなりにくい工夫がされている市販品も多く、お弁当やテイクアウトにも向いています。メキシコ発祥の生地が、トルコ料理のケバブと日本で融合しているなんて、食のグローバル化を感じて面白いですよね。
ちなみに、農林水産省の資料などでも、小麦の利用形態としてパンや麺に並び、こうした無発酵ないしは簡易発酵の平焼きパンが世界中で広く親しまれていることが紹介されています。
本場トルコのユフカやエキメッキとは
日本では「ケバブ=ピタパンかトルティーヤ」というイメージが強いですが、ケバブの本場トルコに行くと、さらにバリエーション豊かな生地に出会うことができます。「もっと本格的な現地の味を追求したい!」というマニアックな方のために、日本ではあまり知られていない現地の代表的な生地をご紹介しましょう。
| 名称 | 特徴と用途 |
|---|---|
| ユフカ(Yufka) ラヴァシュ(Lavash) |
特徴:トルティーヤに似ていますが、さらに薄く、新聞紙が透けるほどに伸ばされることもある極薄の生地です。無発酵または微発酵で作られ、鉄板(サジ)で焼かれます。 用途:「ドゥルム(Dürüm)」と呼ばれるロールケバブに使用されます。焼きたてはパリッとしていますが、具材の蒸気でしんなりと馴染み、独特のモチモチ感と弾力が生まれます。 |
| エキメッキ(Ekmek) |
特徴:トルコ語で「パン」の総称ですが、ケバブ屋台で単に「エキメッキ」と言うと、フランスパン(バゲット)に似た形の白パンを指すことが多いです。 用途:横から切り込みを入れて具材を挟む「ケバブサンド」のもう一つの定番スタイル。外皮(クラスト)はカリッと香ばしく、中身(クラム)はふんわりとしていて、ボリューム満点です。 |
これらの生地は、日本の一般的なスーパーで見かけることは稀ですが、トルコ人シェフが経営する本格的なレストランや、輸入食材店の一部では取り扱われていることがあります。
特に「ユフカ」を使ったドゥルムケバブは、トルティーヤとは一味違う、小麦の香りが強い素朴な味わいが楽しめます。もしケバブ屋さんでメニューに「ドゥルム」という文字を見つけたら、それはトルティーヤではなく本格的なユフカを使っているサインかもしれません。ぜひ一度試してみてください。
また、「エキメッキ」を使ったスタイルは、日本で言うところの「サバサンド(バルック・エキメッキ)」などでも有名です。パンそのものの美味しさを味わいたいなら、ピタパンよりもこちらのエキメッキスタイルの方が満足度は高いかもしれませんね。
気になるカロリーと糖質を比較
美味しくてついつい食べすぎてしまうケバブですが、やっぱり気になるのがカロリーや糖質といった栄養面ですよね。「ジャンクフードっぽいけど、ダイエット中に食べても大丈夫?」と不安になる方も多いでしょう。
実は、ケバブのカロリーを大きく左右するのは、お肉の脂身の量とソース、そして「生地の種類」なんです。ここでは、生地ごとのカロリーの違いを比較してみましょう。
| 生地の種類 | 1枚あたりの目安カロリー | 糖質量(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ピタパン (直径約15cm) |
約150〜200kcal | 約30〜40g | 厚みがある分、小麦粉の使用量が多く、カロリー・糖質ともに高めになります。ただし、腹持ちは抜群に良いです。 |
| フラワートルティーヤ (直径約20cm) |
約100〜150kcal | 約20〜30g | 薄く伸ばしているため、同じサイズ感でもピタパンよりカロリーが低くなる傾向があります。 |
| 食パン(6枚切り) (参考比較) |
約150〜160kcal | 約25〜30g | ピタパン1枚は、6枚切り食パン1枚強に相当するイメージです。 |
データを見ると、ダイエット中の方や糖質制限をされている方には、比較的薄い「トルティーヤ」の方が有利だと言えそうです。もちろん、サイズによって数値は変わりますが、生地の厚みが薄い分、相対的に具材(肉や野菜)の比率が高くなり、タンパク質や食物繊維を効率よく摂取できるメリットがあります。
さらにヘルシーに楽しみたい場合は、以下のような工夫もおすすめです。
- 全粒粉入りを選ぶ:食物繊維が豊富な全粒粉(ホールウィート)を使用したトルティーヤやピタパンを選べば、血糖値の上昇を緩やかにできます。
- おつまみケバブにする:思い切って生地なしの「ケバブ丼(ご飯少なめ)」や「おつまみケバブ(具のみ)」を選ぶのも一つの手です。
ケバブのお肉自体は、回転しながら余分な脂が落ちているため、調理法としては比較的ヘルシーな部類に入ります。生地の選び方とソースの量(マヨネーズ系を控えるなど)を工夫すれば、ダイエット中でも罪悪感なく楽しめるメニューと言えるでしょう。
(出典:文部科学省『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』)
専用生地がない時の身近な代用方法
「今夜はケバブにしよう!」と盛り上がったのに、近所のスーパーにピタパンもトルティーヤも売っていなかった……そんな絶望的な状況でも、諦める必要はありません。実は、どこの家庭にもあるような身近な食材を少し工夫するだけで、驚くほどそれっぽい代用生地が作れるんです。
完全に同じ食感とはいきませんが、アイデア次第で十分にケバブの雰囲気を楽しめますよ。私が実際に試して「これはいける!」と思った代用方法をご紹介します。
おすすめの代用アイデア3選
1. 食パンを「麺棒」で薄く伸ばす
これが最も手軽で、意外と本格的な方法です。サンドイッチ用の薄い食パン(なければ8枚切りなど)の耳を切り落とし、麺棒でペチャンコになるまで薄く伸ばします。こうすることで生地の密度が高まり、食感がモチッとしてトルティーヤに近づきます。軽くトースターで焼いてから具材を巻けば、不思議とパンっぽさが消えてラップサンド風になりますよ。
2. 春巻きの皮を「2枚重ね」で焼く
「もっと軽い食感がいい」という方には春巻きの皮がおすすめ。ただし1枚だと薄すぎて具材の重みで破れてしまいます。ポイントは「2枚重ねて」フライパンで空焼きすること。油を引かずに焼くと、パリパリとしたクリスピーな生地になります。スナック感覚やおつまみとしてケバブを楽しみたい時に最適です。
3. ナンやフォカッチャを使う
最近はスーパーのカレーコーナーやパンコーナーで「ナン」や「フォカッチャ」が手に入りやすくなっています。これらはピタパンと同様に厚みがあり、モチモチとした食感が特徴です。半分に切ってポケットを作るのは難しいですが、上に具材を乗せて二つ折りにする「タコススタイル」で食べれば、ボリューム満点のケバブとして楽しめます。
他にも、餃子の皮を数枚つなぎ合わせて焼いたり、甘くないクレープ生地(ガレット風)を焼いたりする方法もあります。専用の生地を買いに遠くのスーパーまで行く時間がない時は、ぜひ冷蔵庫にあるもので「なんちゃってケバブ」に挑戦してみてください。意外な組み合わせが新しい発見になるかもしれませんよ。
ケバブの生地を買う場所と手作りレシピ
- 業務スーパーやコストコ等の市販品
- フライパンで焼ける簡単手作りレシピ
- イーストを使った本格ピタパンの作り方
- 破れにくい温め方と食べ方のコツ
- 自分好みのケバブの生地で楽しもう
業務スーパーやコストコ等の市販品
「手作りもいいけど、やっぱり手軽に市販品を使いたい」という方も多いですよね。ケバブ用の生地は、一般的なスーパーやコンビニではなかなか見かけませんが、輸入食品を取り扱う店舗や大型スーパーに行けば、高確率で入手可能です。
ここでは、特にコスパが良く、ケバブ愛好家の間で評価が高い購入場所をピックアップしてご紹介します。
業務スーパー
庶民の味方、業務スーパーはケバブ生地の宝庫です。冷凍コーナーを探してみてください。
「ピタブレッド」:5枚入りなどで数百円という驚きの安さで販売されています。少し小ぶりなことが多いですが、厚みがあってモチモチしており、自然解凍してトースターで焼くだけで本格的な味になります。
「トルティーヤ」:こちらも冷凍で、12枚入りなどの大容量パックがあります。全粒粉入りタイプが売られていることもあり、ヘルシー志向の方にもおすすめです。
カルディコーヒーファーム
輸入食品といえばカルディ。ここには常温保存タイプや冷凍タイプの生地が揃っています。
「フラワートルティーヤ」:冷凍コーナーにある「ラ・コロナ」などのブランドが有名です。生地がしなやかで破れにくく、品質が高いと評判です。
「ピタブレッド」:常温で販売されていることもあり、保存料を使わない本格的な輸入品が見つかることも。少し炙ると小麦の香りが引き立ちます。
コストコ(Costco)
大人数でのケバブパーティーならコストコ一択です。
「ピタパン」:ベーカリーコーナーやパン売り場で、10枚入りなどの大袋で売られています。
「未加熱トルティーヤ(冷蔵)」:これがコストコのマストバイ商品です! 「ブリトーサイズ」などの名称で売られていることが多く、焼く前の「生生地」の状態です。自宅のフライパンで焼くと、プクッと膨らんで出来たての香ばしさと最高のモチモチ感が味わえます。一度これを食べると、既製品には戻れないかもしれません。
購入時のポイント
これらの店舗が近くにない場合は、Amazonや楽天などのネット通販を利用するのが確実です。「オールドエルパソ」などの有名メーカー品なら、常温保存可能なトルティーヤが手軽に購入できますよ。まとめ買いして冷凍庫にストックしておくと、いつでもケバブが食べられて便利です。
フライパンで焼ける簡単手作りレシピ
「買いに行くのが面倒」「添加物が気になるから自分で作りたい」という方のために、自宅にある材料だけで作れる、超簡単な生地レシピをご紹介します。パン作りというと「発酵」や「イースト」が難しそうに感じますが、ここではイーストを使わず、発酵時間ゼロですぐに焼ける「チャパティ・トルティーヤ風」のレシピを伝授します。
このレシピの最大のポイントは「熱湯」を使うこと。熱湯で粉を練ることでデンプンが糊化(こか)し、発酵させなくてもモチモチとした甘みのある生地に仕上がるんです。
発酵なし!魔法の簡単生地レシピ
【材料】(約4〜5枚分)
- 薄力粉(または中力粉):200g
※強力粉と薄力粉を半々にすると、よりコシが出ます。 - 塩:ふたつまみ(約2g)
- オリーブオイル(またはサラダ油):大さじ1
- 熱湯:100〜120ml(沸騰したてのお湯を使ってください)
【作り方】
- 混ぜる:ボウルに粉と塩、オリーブオイルを入れます。熱湯を一気に回し入れ、菜箸やヘラで素早く混ぜ合わせます(熱いので火傷に注意!)。
- 捏ねる:生地がポロポロした状態からまとまってきたら、手で触れる温度になるまで少し待ち、手で滑らかになるまでよく捏ねます。耳たぶくらいの柔らかさが目安です。
- 寝かせる:乾燥しないようにラップに包み、室温で15分ほど寝かせます。この工程で生地内の水分が馴染み、驚くほど伸びやすくなります。
- 伸ばす:生地を4〜5等分にして丸め、打ち粉(分量外)をした台の上で、麺棒を使って極薄(1〜2mm)に伸ばします。
- 焼く:油をひかないフライパンを中火で熱し、生地を広げます。表面がプクプクと膨らみ、焼き色がついたら裏返し、両面をサッと焼けば完成です。
焼きすぎると水分が飛んでパリパリになってしまうので、「強めの中火で短時間」がコツです。焼けたそばから濡れ布巾やラップで包んで保湿しておくと、しっとりと柔らかいままキープできますよ。
イーストを使った本格ピタパンの作り方
「どうせなら、お店みたいにプクッと膨らんだポケット型のピタパンを作りたい!」というチャレンジャーなあなたには、ドライイーストを使った本格レシピをご紹介します。少し手間はかかりますが、オーブンの中で生地が風船のように膨らむ様子を見るのは感動的ですよ。
【基本的な材料】
強力粉、薄力粉、ドライイースト、砂糖、塩、ぬるま湯、オリーブオイル。
作り方の流れは一般的なパン作りと同じですが、ピタパンを成功させる(空洞を作る)ためには、絶対に守るべき2つの重要なコツがあります。
成功の鍵1:乾燥を徹底的に防ぐ
成形した後の二次発酵中や、焼く直前に生地の表面が乾燥して硬くなっていると、風船のように膨らむことができず、失敗してしまいます。生地を伸ばした後や焼くまでの待機時間は、必ず固く絞った濡れ布巾やラップをかけて、湿度を保つようにしてください。
成功の鍵2:高温で一気に焼く
これが最も重要です。低温でじっくり焼くと、普通のパンになってしまいます。
オーブンの場合:天板ごと最高温度(250℃〜300℃)に予熱しておき、熱々の天板に生地を乗せて短時間(3〜5分)で焼き上げます。
フライパンの場合:蓋をして十分に熱しておき、生地を入れたらすぐに蓋をして蒸し焼き状態にします。
この急激な加熱によって、生地内部の水分が一気に水蒸気爆発のような状態になり、生地を押し広げて「ポケット」が生まれます。自分で焼いたピタパンに具材を詰め込む瞬間は、何にも代えがたい喜びがありますよ。
破れにくい温め方と食べ方のコツ
せっかく美味しい生地を用意しても、いざ食べる時に「生地がボロボロ割れてしまった」「食べている最中に下からソースが漏れて服が汚れた」なんて経験はありませんか? 特に市販のトルティーヤやピタパンは、扱い方を間違えるとすぐに破損してしまいます。
美味しく、そして綺麗に食べるためのプロのテクニックを伝授します。
生地を「復活」させる温め方
冷蔵や冷凍されていた生地は、デンプンが老化して硬くなっています。そのまま巻こうとすれば必ず割れます。柔軟性を取り戻すために必要なのは「水分と熱」です。
- 霧吹きテクニック:加熱する前に、霧吹きで生地全体に軽く水をかけます(なければ濡らした手でパパッと水を弾くだけでもOK)。
- レンジ加熱:濡らして固く絞ったキッチンペーパーで生地を包み、電子レンジ(500W)で10〜20秒ほど温めます。これで驚くほどしっとりモチモチになり、強く巻いても破れなくなります。
具材がこぼれない「鉄壁」の包み方
ケバブは具材を欲張って入れがちですが、食べやすさを考えるなら「腹八分目」が基本。さらに以下の工夫で鉄壁の防御を築きましょう。
- ワックスペーパーやアルミホイルを活用:お店のように、具材の下にワックスペーパーやアルミホイルを敷いて、生地と一緒に巻き込むようにして持ちます。底の部分をしっかりと折り返しておけば、ソースが垂れてくるのを防げます。
- 配置のコツ:トルティーヤの場合、具材を真ん中ではなく「少し手前」に置きます。最初に具材を一回転させて芯を作り、両端を内側に折り込んでから最後まで巻くと、ブリトーのように両端が閉じた形状になり、こぼれる心配がありません。
自分好みのケバブの生地で楽しもう
- ケバブの生地には大きく分けてポケット型のピタパンと巻き型のトルティーヤがある
- ピタパンは厚みがありふっくらしており中に具材を詰めるスタイル
- トルティーヤは薄くて巻きやすく具材をたっぷり楽しめるのが特徴
- 本場トルコではユフカという極薄生地やエキメッキというパンも使われる
- カロリーや糖質を抑えたい場合は薄いトルティーヤやおつまみケバブが有効
- 専用生地がない時は食パンや春巻きの皮で代用するアイデアもある
- 市販の生地は業務スーパーやコストコやカルディで購入するのがおすすめ
- 一般的なスーパーでは取り扱いが少ないため通販の利用も検討すると良い
- 自宅で作る場合はイーストなしの簡単レシピならフライパンで焼ける
- 本格的なピタパンを作るなら高温で一気に焼いて空洞を作るのがコツ
- 市販の生地は温める前に霧吹きで水分を補うと割れにくくなる
- 食べる際はワックスペーパーなどを活用すると具材がこぼれにくい
- 自分の好みや用途に合わせて最適な生地を選ぶことが重要
- 手作りや市販品をうまく活用して自宅でも本格的なケバブを楽しもう


コメント